おはようございます。
本日は、ETF市場のマーケットメイク制度の開始日です。国内ETFの流動性が向上することを期待したいと思います。
1.マーケットメイク制度とは
国内のETF市場の弱点は、流動性が低い点です。銘柄によっては一日の出来高がある程度の規模のものもあるようですが、全体的に見ると一日の出来高は非常に低いです。例えば、米国では、マーケットメイカー(所定の専門業者)が、ETFの買注文と売注文を常に出し続けることで流動性を提供しています。
これに対して、日本でも、ETFを投資家にもっと活用してもらえるように、東証が、ETF市場の「マーケットメイク制度」を設計しました。従って、日本でも上記と同様に、ETF市場において、マーケットメイカーが、対象銘柄において値段と数量を提示し続け、当該気配に合致した注文については必ず投資家からの売買注文に応じるようになります。
今回のマーケットメイク制度の仕組みやメリットについては、東証マネ部!でも取り上げられています。以下に引用します。マーケットメイカーは、銘柄数や発注量に対して義務を負っていることから、これまでに比べて売買の板が厚くなり、個人投資家が投資しやすくなるのではないでしょうか。
つまり、投資家が売買をしやすくなるよう、東証が身銭を切ってマーケットメイカーに流動性をつけてもらうということだ。もちろんインセンティブの見返りとして、マーケットメイカーはETFの発注銘柄数や発注数量、スプレッドの幅といった義務を負うことになる。
ETF市場に流動性がつけば、まず投資家が長期の資産形成にETFを活用しやすくなり、もしそれにより売買が増えればマーケットメイカーも収益を上げることができ、さらにはETF市場が健全に発展することにより東証も恩恵を受けることになる。
2.マーケットメイク対象の国内ETF
マーケットメイクの対象銘柄は、東証マネ部!の方でも記載されています。銘柄は以下のリンクから確認できます。2018/6/25時点で98銘柄となっています。
個人的には、対象銘柄のうち、以下のS&P500やMSCI-KOKUSAI連動のETFについて注目していきたいと思います。これらは、投資信託でも積立ていますし、ETFの方でメリットが出てくれば、こちらを活用したいと思います。
コード | 銘柄 | 信託報酬 (税抜き) |
2513 | NEXT FUNDS 外国株式 MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジなし)連動型上場投信 | 0.17% |
2514 | NEXT FUNDS 外国株式 MSCI‐KOKUSAI指数(為替ヘッジあり)連動型上場投信 | 0.17% |
1557 | SPDR S&P500 ETF | 0.0945% |
1655 | iシェアーズ S&P500 米国株 ETF | 0.15% |
1557のステートストリートのETFは、6/29の取引を見ると、売買高656口、売買代金1,969万円です。一応これまでも少額であれば個人投資家が売買可能でしたが、一日の出来高が米国のETFに比べて低すぎると思います。
さらに流動性が高まり、一日の出来高が上がればよいかなと思っています。その他、NEXT FUNDSのMSCI-KOKUSAI連動のETFも、マーケットメイク制度が始まってどうなるか。期待して見てみたいと思います。
3.その他の期待したい点
ETFは、「上場投資信託」の名前のとおり、証券取引所に上場をしているため、販売会社に払う信託報酬がありません。したがって、通常は、保有コスト(信託報酬等)が同種の投資信託より低い場合が多いです。
しかし、2017年から始まった投資信託の信託報酬の下げ競争により、ETFよりも投資信託の信託報酬の方が低いという逆転現象になっているものも存在します。例えば、MSCI-KOKUSAI連動の商品については、eMAXIS Slimシリーズの投資信託の方が上記のETFよりも低コストであると思います。
今回のマーケットメイク制度で流動性コストは低減されると思いますので、今後は、ETFの信託報酬が、eMAXIS Slimシリーズをはじめとする低信託報酬の投資信託に対して競争力を持つように下がっていくことを期待したいと思います。
そうすれば、国内のETFに対する投資家の見方が大きく変わってくると思います。
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