おはようございます。
MSCIは、6月20日に、アルゼンチンとサウジアラビアを2019年5月からMSCI新興国市場指数に組み入れると発表しました。
アルゼンチンとサウジを新興国指数に採用、19年5月から=MSCI - WSJ
1.アルゼンチンの組み入れについて
アルゼンチンが「新興国市場」に分類されるのは約10年ぶりとなります。
アルゼンチンの「新興国市場」への格上げは意外でした。5月の段階では、以下のような報道もされていたためです。
アルゼンチンは、株価下落と通貨安に見舞われて、国際通貨基金(IMF)への支援要請を行っていました。
2018年において、MSCIアルゼンチン指数は37%低下しています。また、ペソの対ドル相場は33%下落し、アルゼンチン国債相場も14%下げています。
このような状況を見て、5月の報道では格上げが難しいとの見解もありました。
なお、MSCIによれば、今後、アルゼンチン政府が流動性を規制するような措置を講ずれば格付け見直しを行うとのことです。
引き続き新興国市場指数への採用されるかは、現政権の改革路線の継続が重要になります。
2.サウジアラビアの組み入れについて
MSCIによると、新興国市場指数におけるサウジ株のウエートは2.6%となるとのことです。
サウジアラビアの株式市場は注目度が高いです。
特に、サウジ政府が国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を検討している点です。
サウジアラムコの確認埋蔵量は、石油メジャー最大手・米エクソンモービルの10倍強となります。実際に時価総額はいくらになるかは不明ですが以下の記事では、2兆ドル(約220兆円)以上で、世界最大の米アップルのおよそ3倍との見積もりもあります。
未曾有のIPO仕切るサウジ・プリンスの改革 | アジア諸国 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
4月には、業績が初めて明らかになりました。サウジアラムコの2017年1-6月純利益は338億ドル(約3兆6400億円)。アップル等、アメリカの筆頭企業の純利益を上回っています。
サウジアラムコがサウジアラビアの国内市場に上場すれば、新興国市場指数におけるサウジ株のウエートの引き上げもあり得ます。
こうなると、新興国市場でのサウジアラビアのプレゼンスが高まりそうです。
3.まとめ
アルゼンチンの組み入れは、現在の状況だと新興国市場指数に良い影響があるかは疑問符が付きますが、サウジアラビアについては、サウジアラムコの上場の可能性もあり、期待が大きいです。
MSCI新興国市場指数は、中国A株の組み入れが開始され、中国に偏りがちでしたので、サウジアラビアが伸びてくれればよいなと思います。
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以前の記事です。中国A株の組み入れについての記事です。
現在のウェートは小さいですが、将来的にはかなりの割合が中国株が占める可能性があります。