おはようございます。
PFF「iシェアーズ米国優先株式ETF」は、優先出資証券を集めたETFです。
高配当であり、インカムゲイン投資の人はポートフォリオに組み入れている人もいると思います。
ちなみに私は保有していません。
1.優先出資証券とは
優先出資証券とは何でしょうか。
以下は野村証券の用語説明です。
協同組織金融機関や特別目的会社(SPC)が自己資本の充実を図るため、投資家から広く出資を募る目的で発行される証券。普通出資者総会における「議決権」がない一方、「優先的配当」を受ける権利があるなど、株式会社における優先株に類似した権利を持つ。
議決権がないことから、高配当という性質があります。
で、米国株のブログ等でもよくこのような説明がされています。
でも、私が最初に、証券会社や有名なブログの説明を読んだとき、疑問がありました。
議決権がないからっていっても、あまりにも高配当すぎないか?
優先出資証券って、もっと別の理由もあって高配当なんじゃないだろうかと思いました。
2.優先出資証券の特殊な性質
調べてみると、発行元が破綻したときは普通社債よりも残余財産の分配序列が劣後するということも分かりました。
それでも、いまいち納得できていなかったのですが、以下の本を読んで、ようやく優先出資証券が少し理解できました。
優先出資証券は、償還期限及びクーポンが設定されています。
ただ、発行元(銀行)の判断により償還期限を無期限に遅らせることができます。所謂、「あるとき払い」が認められているとのことです。
従って、本来は投資家の資金が戻ってくる時期が不透明であり、銀行が破綻した際には価値が無くなります。
このようにリスクが高いですが、優先出資証券は、償還期限に定めがないものの、発行から5年後に償還されることを暗黙の約束としていて、その5年を過ぎるとペナルティとしてさらにクーポンを支払う条項になっているとのことです。
発行元は、暗黙の約束を守らないと投資家からの信頼が得られず、次の発行の際に高いクーポンを設定しないといけません。
従って、発行元は償還期限をひたすら引き延ばしてもいいわけですが、暗黙の約束を守ることになります。これにより、多くの投資家の投資対象となっているわけです。
上記のような事情を考慮すると、優先出資証券はかなりリスクがあり、従って、高配当であることも理解できます。
また、リーマンショック時にPFFの値が大きく下げたのも理解できます。
多くの金融機関の破綻が危ぶまれていたので、特に大手金融機関の優先出資証券を含むPFFは大きく売り込まれたのだろうと想像できます。
PFFは高配当でインカムには良いかもしれませんが、リスクを良く理解して投資したいETFですね。
リーマンショックから10年、米国の経済は今のところ好調ですが、景気後退局面ではPFFはかなり弱いように感じます。
もしこれから後退局面に入るならば、PFFへの投資は慎重にした方がよいかもしれません。
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