おはようございます。
バンガード社の創業者、ジョン・C・ボーグルが死去しました。
インデックスファンドに注力した彼の功績についてあらゆるところで語られています。
今回は彼の著作の内容でちょっと意外と思われるものを紹介して、彼のご冥福を祈りたいと思います。
1.「足る」を知る
ボーグルの本の中で一番気に入っている本は以下の本です。
- 作者: ジョン C ボーグル,山崎恵理子
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2009/07/09
- メディア: 単行本
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この本は、具体的な資産運用の方法が書かれているわけではなく、彼がどのようにインデックスファンドに注力してきたかという彼の人生、リーダーや組織に必要なもの、そして、人生観、これらのことが記載されています。
今はもう絶版になっているようで、中古でしか買えないようですね。
残念です。もし機会があれば中古でも入手して読むことをお薦めします。
そこらの自己啓発書を読むよりよっぽどいいです。
自分自身どう生きていくべきか考えさせられます。
2.立派な組織を作る10のルール
ボーグル氏は、この本で立派な組織を作るためにはどのようなことが重要であるかを語っています。
彼がこのような考えでバンガードという組織を創設してきたから、今のバンガードの姿があるのでしょう。
10のルールが記載されていますが、そのうちの一部だけ紹介します。
ルール1:「思いやり」を組織の糧に
一九ハ九年に私が初めて「思いやり」についてバンガードのメンバーに話をしたとき、私は次のようにいった。
「思いやりとはお互いに対してもつものだ。第一に、組織の上から下まで私たち全員がお互いを尊重することだ。私たち一人ひとりは、礼節、誠実さ、親切心、そして重要な職務を遂行していることに対して敬意をもって扱われる価値があり、そうされなくてはならない。第二に、キャリアの向上、組織への参画、イノベーションを生み出す機会を与えられなくてはならない。・・・・」
立派な組織を作るルールの一つ目として、まず、思いやりについて語られています。
アメリカの企業は一般的にドライで厳しい組織という印象は持っている人も多いと思います。
そんな中で、ボーグル氏が思いやりを大切に思っており、それが立派な組織を作る上で大事であると述べています。金融の世界は数字的な成績が求められ、こういった思いやりとはかけ離れている印象がありましたが、ボーグル氏がこのような視点で組織を創設していたと知り、とても意外でした。
ボーグル氏の語る「思いやり」は、「相手を思う思いやり(礼節、誠実さ、親切心)」だけでなく、「個々人が尊重される」という意味合いも含まれているように感じます。
これら両方を組織の中に入れていることが重要なんでしょう。
ボーグル氏がどのようにバンガードの社員に対して接していたか、それがよくわかります。
次に、ルール6の一部を紹介します。
ルール6:管理しすぎない
すでに述べたように、人生やビジネスにおいて最も大切なものは、数字では測れない。「測れるものは管理できる」という陳腐な文言が、現実に偉大な組織を築くときの障害となってきた。実際の経済状況を評価するときにも、同じことがいえる。
世の中を動かしているのは、数字ではなく人間だ。私たちの人生や仕事に意味を与えてくれるのは、人間という存在だ。・・・
ボーグル氏は、人間同士のやりとりを非常に重要視しているように感じます。
組織の中ではほとんどが人間同士のやりとりで仕事が進むので、当たり前といえばそうなんですが、改めてその大事さがわかります。
人間同士が思いやり、そして、各社員が組織を思いやり、そして、組織は個々人を信頼し、管理しすぎない。ボーグル氏はこのような姿が最終的な理想的な組織と考えていたようです。
上述では、本の一部を紹介しましたが、もし気になる方は中古で手に入れてみてはいかがでしょうか。
インデックスファンドで将来のための資産形成も大事ですが、その創設者といわれるボーグル氏の思想や人生観などに触れると、お金以上のものが手に入ります。
自分の生き方を考え直す良い機会になると思います。
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