おはようございます。
アノマリーの一つとして、小型株効果というのがあります。
時価総額が小さい企業群の方が、時価総額が大きい企業群よりもリターンが高いという歴史的な事実です。
1.小型株効果
インデックス投資に関する名著、「ウォール街のランダム・ウォーカー」(バートン・マルキール著)においても、小型株効果を確認することができます。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 単行本
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上記の本では、主要な金融資産の1926~2013年の平均リターンが記載されています。
出典:ウォール街のランダム・ウォーカー、P434、表1を筆者が編集
この表を見ても分かるように、歴史的に見て、小型株の方がリターンが高いことが分かります。
そうなると、小型株をメインとして投資することも考えられます。
その方が効率が良いですからね。
2.小型株効果のリターンの正体
小型株効果については各方面で調べられています。
以下の本では、小型株効果を調べたネッズの論文が紹介されています。
超・株式投資 (Modern Alchemists Series No. 122)
- 作者: KAPPA
- 出版社/メーカー: パンローリング
- 発売日: 2014/05/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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上記のネッズの論文によると、小型株効果は、小型株群の中の非常に少ない銘柄のリターンによりもたらされているとのことです。
小型株効果は、大部分のマイナスのリターンと少数の飛びぬけたリターンの合計の結果で得られているのです。
そうなると、小型株効果を得るにはどうしたら良いでしょうか。
はっきり言って、数多くある小型株群の中から大きく伸びる銘柄を当てるのは不可能に近いです。
上記の本でも言及されている通り、できるだけ多くの銘柄を持つことが重要だと思います。
そうなると、投資対象はETFが有力ですね。
小型株の米国ETFの代表的なものは、
- VB(バンガード・スモールキャップETF)
- IJR(iシェアーズ・コア S&P 小型株 ETF)
でしょうか。
これら2つを比較すると一長一短でどちらを選択するか難しいです。
VBの構成銘柄が約1400に対して、IJRは約600です。
「できるだけ多くの銘柄を持つ」という観点に立てば、VBの方が良いように思います。
ただ、VBとIJRの中身を更に見ると、VBはmidium cap(中型株)の割合が高いのに対して、IJRはsmall cap(小型株)の割合が高いという特徴があります。
私の場合は、それほど多くは持っていませんが、VBの方に投資しています。
上記のETF以外だと、
EXE-i グローバル中小型株式ファンドなんかが良いかなと思います。
ETF(上場投資信託)への投資を通じて、世界(日本を含む)の中小型株式への投資が可能です。アメリカ以外の中小型株への投資も可能になります。
ただ、下記の通り、アメリカの比率が高くなります。
出所:SBIアセットマネジメント EXE-i(エグゼアイ)|EXE-i グローバル中小型株式ファンド
いずれにしても、小型株効果を狙うなら、多くの銘柄に投資できるETF或いは投資信託という選択になると思います。
ただ、小型株効果のアノマリーが今後も続いていくかは不明であるため、資産運用のメインは王道のインデックスにしつつ、リターンの補完戦略として小型株ETF等に投資するのが肝要かと思います。
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