金持ち弁理士、貧乏弁理士。

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配当より雇用維持を 日経の記事がちょっとひどい

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おはようございます。

日経で気になる記事がありました。

 

www.nikkei.com

 

 

配当より雇用維持を、と見出しがあり、どういうことかと思って、記事を読み進めました。記事の一部を引用しますと、

世界45カ国以上の年金基金や運用会社からなる国際コーポレート・ガバナンス・ネットワーク(ICGN)は23日、従業員の解雇を避けるべきだとの企業向け書簡を公開した。運用額は54兆ドル規模で影響力は大きい。配当や役員報酬は、従業員や取引先に配慮すべきだと、配当減を容認する姿勢を初めて示した。

とあります。

ICGNが配当減を容認する姿勢を初めて示したと、表現しています。

もちろん、企業の財務基盤が今回のコロナショックで不安定なものになり、企業によっては減配することもやあり得ると思います。

ただ、「株式会社は株主の利益最大化のために存在する」というのが原則なわけで、記事の題名から中身まで、株主への配当よりも、従業員の雇用を優先する流れがあるような書きっぷりです。

米国企業の株主重視の姿勢から米国株に投資している人もいますので、このような極端な流れになると困るという人もいると思います。

私もVOOを始めとして、ETFをいくつか保有していますので、配当や自社株買いなどが極端に縮小すると心配です。

 

ひとまず、ICGNの原文を読むことにしました。

原文はこちら

確かに、従業員を含めすべてのステークホルダーに考慮して資産の配分を行うことについては言及しています。ただ、「配当より雇用維持を」というニュアンスを読み取ることはできません。

むしろ配当に関しては、1つの項目としてしっかりと以下のように記載されていました。

Dividends – for companies severely affected by the pandemic, dividend payments may require substantial reduction or complete suspension. This is particularly acute where company revenue is reduced, and financial stability is threatened thereby impacting employees, suppliers and other stakeholders. While a prudent approach to dividends is expected, the importance of dividend payments to support the livelihoods of ordinary pensioners and long-term savers should not be underestimated. If companies can pay dividends without compromising long-term financial stability they should continue to do so.

これを見ると、

年金受給者等のために配当支払いの重要性は過小評価されるべきではないこと、

企業が財務の安定性を損なうことなく配当を支払うことができるなら、企業は配当を支払い続けるべきであること、 

が述べられています。

 

日経の記事は、ICGNが述べていることとは全く異なっていて、読む人にかなり誤解を与える内容ではないかと思います。

記者の人も原文の英文を全く読んでないことが分かります。

ほんと、こういう記事はやめてほしいです。

結局のところ、色々なステークホルダーに考慮しよ、という程度のことでした。

株主を軽視するような記載は見当たりませんし、株主重視の思想を転換させるようなそんな大きなことは書かれていないので、安心しました。

 

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