おはようございます。
今日はちょっと個人的な話です。
先月出版された「なぜ、御社は若手が辞めるのか(山本寛著)」を読みました。
実際に退職した若手社員にインタビューを行い、その内容がまとめられています。
1.感想
この本を読んでも、リテンション(定着・引き留め)の有効な策が得られるわけではありません。
アンケートを見ると、転職する理由は、待遇、人間関係、仕事内容、会社の将来性等、様々な理由があります。
人によって理由が違うので、結局のところ、日頃からコミュニケーションを取って、少しずつ不安、不満を解消するといった施策しかないと思いました。
なお、唯一ある程度効果があると思われるのは、報酬の引き上げのようです。
2.私の場合
私も複数回転職していますが、転職の理由は毎回違いますし、いくつかの事項を複合的に勘案して決めました。
少し昔を思い出して、なぜ辞めたのか振り返ってみたいと思います(多分、誰も望んでないかもしれないけど(笑))。
2.1.電機メーカー時代
大学院を卒業して、電機メーカーに勤めました。
システムの開発をしていましたが、ワークライフバランスという言葉なんて当然なく、毎日終電かタクシーで帰ってました。この時の退職理由は主に以下でした。
- 過酷な長時間労働
- 組織として成り立っていない
- 家庭の事情
月の残業は100~150時間です。よく会社に泊まってましたし、休日も出てました。
組織として成り立ってないというのは、まず、午前中にほとんどの人(うちの課は全員)がいませんでした。だから仕事が全然まわらないんです。
多くの人が夜遅くまで働いて、次の日は午前中来ないんですね。
私は必ず9時20分までには行ってましたので、関連会社から上がってくる仕事の話は全部僕が受けてました。お客さんからの電話も全部受けてました。
あと、課長がいませんでした。いるんですけど、会社にいないんです。
大きい会社なので、仕事のレベルごとに承認ルートがしっかり決まってます。
なので、課長承認で仕事まわすのが大変でした。
あまりに状況を重く見た会社が課長を二人にしたんです。面白いでしょ?(笑)
ちなみに課長の上に部長もいたんですけど、見て見ぬフリです。全く解決する気ないように見えました。
私は会社に入って3年で退職したんですが、これが会社なのか?社会人の責任感とかってこの程度なのかな?って思いました。
その思いは間違いでなくて、大学からインターン生が来たときに、あまりのひどさを見て、彼も「ここ、本当に会社なんですか?」って言いましたから。
そんな状況で家族が体調を崩して、家族のそばになるべくいた方がいいということで、退職することになりました。
なかなか良い経験でした。ここより過酷な仕事場は今のところ経験していません(笑)
2.2.特許事務所時代
その後、特許事務所に勤めました。
最初に勤めた特許事務所を辞めた理由は以下でした。
- 事務所の将来性
- 報酬
特許事務所は経営状況が変わる場面があります。例えば、事務所の創業者が引退して次の世代に渡すとき(息子等、身内である場合が多いです)、その他、小規模同士の事務所が合併して規模を拡大していくときが挙げられます。
私もこのような状況の変化があり、事務所の将来性に不安を感じました。
同じように感じたのか、同じ時期に多くの人が辞めました。
報酬は、特段少ないというわけではないですが、割が悪いシステムでした。
この業界では、弁理士は自身の売り上げの三分の一程度が収入になると言われています。この割合が確保されていないところは多いと思います。
3.これからは自分が考えなければ
こう振り返ってみると、私の場合、組織の根本的な部分が退職の問題だったので、仮に何等かのリテンション(定着・引き留め)の策が行われても全く意味がなかったことでしょう。
実際に電機メーカー時代にはメンター制度といって、他部署の課長が話を聞くという制度がありましたが、全く意味がなかったですね。
話を聞いてもらえば済む、そういった問題ではなかったですから。
そうなると、職員の定着率を上げるにはどうすればいいのか、非常に難しい。
いずれは私も組織の中で管理する立場になる可能性がありますから、こういったことは考えていきたいです。
▽▽「ポチ」っと応援して頂けると嬉しいです